
ちひろ
母のお気に入りの悪口と、それに向き合ったある日の出来事
母の笑顔は、悪口の笑顔
母は悪口が大好きです。
朝から晩まで人の悪口を言います。
それもいつも笑顔でニコニコしながら……。
ですから、私にとって母の笑顔は、ものすごく嫌いなものの一つです。
母のお気に入り悪口ベスト3
母にはお気に入りの悪口が3つあります。
- A子ちゃんはね、流産したみたいよ。
- B子ちゃんはね、生活保護を受けているみたいよ。
- C子ちゃんはね、感染症にかかったみたいよ。
いずれも伝聞であり、勝手な母の妄想にすぎません。
もしかすると、本当のこともあるかもしれませんが、それらが本当であったとしても、私たちの生活には何の影響もありません。
特にお気に入りは「流産」の話題
特にお気に入りの悪口は「流産」のネタ。
それも、何百回、何千回、このネタを聞かされたか分かりません。
言い出すときは決まって、まるで初めて言うかのように、
確かねえ……。A子ちゃんはね、流産したみたいよ。
こんな言い方をするわけです。
母には、人の悪口を言わないように何度もくぎを刺しますが、聞き入れられることはありません。
ついに忠告する
どうしてもまた言い出したくなったようで、
確かねえ……。A子ちゃんはね、流産したみたいよ。
と、いつもの悪口を言い出したので、私もたまらずに具体的に言い返しました。
あのね、お母さん。
その話、何度聞いたか分からないけれど、A子ちゃんが流産したかどうかは本当のことかどうか分からないし、よそで言ったりしたらダメだよ。
そう忠告しました。
母の反応とその後
すると態度が一変。
そ、そんな……。A子ちゃんのことは、あなたたち以外には言っていないし……。
そう言いました。
「あなたたち」という複数形を使っているので、よそで言ったことを自白しているようなものですが……。
この忠告をして以来、母の「A子ちゃんの流産ネタ」は聞かなくなりました。
かといって、他の悪口がなくなったわけではないのですが……。
きちんと話すことも大事だなと思った一件でした。