
要介護の父のために、手元でも使えるスピーカーを購入。
それが原因でまさかの怒号と拒絶の嵐。
父のために買ったスピーカー
要介護となった父のために、テレビの音を手元で聞くことができるスピーカーを購入しました。
ベッドのサイドテーブルに置けて、手元で操作できる汎用性の高いものです。
スピーカーひとつにそれなりの金額は掛かりましたが、使い勝手が良く、父も喜んでくれるものだと思っていました。
まさかの怒号で拒否される
ところが、それも父の怒号を買う結果となってしまいました。
要介護3で座ることも辛い父にとって、唯一の娯楽がテレビであることは分かっていました。
父のためにバリアフリーの家へ転居したものの、テレビは一台しかありません。
そのテレビを父が独り占めしている状態です。
そんなテレビに対しても、朝から晩まで文句を言い続けます。
スピーカーに文句、テレビにも文句
せっかく購入したスピーカーにも文句をつけてきます。
父がいる部屋は思った以上に音が反響し、スピーカーにノイズが入ると言うのです。
私としては気になるほどではなかったのですが、少しでも不満をぶつけたい父は罵声を浴びせてきます。
スピーカーを外せ!でもまたつなげ!
「こんなもん、なんで買ってきたんじゃ! 金がもったいないやろ! スピーカーを外せ!」
仕方なく、せっかく設定したスピーカーを外し、テレビから直接音声が出るようにしました。
すると今度は、
「テレビが遠すぎて全然聞こえへんのじゃ! もう一回つなぎ直せ!」
父の“罵倒スイッチ”が入ったら、もうどうしようもありません。
私は黙って、スピーカーを再び接続します。
しかし、元に戻してもまた同じことで罵声を浴びせられるのです。
これが一日に何度も繰り返されます。
ただ罵りたいだけの父と、耐える私
ただ文句を言いたい、罵声を浴びせたいだけの父。
それでも私は笑顔で対応し続けました。
でも、今思えば、そうしていたことがかえって父の態度をどんどんエスカレートさせ、手がつけられなくなってしまったのだと思います。