
高齢の両親との暮らしの中で、ある日突然訪れた引っ越し。
父が倒れ、要介護となったことで新たな生活がスタートしましたが…
まさか「引っ越しは自分でやれ」と言われるとは、夢にも思いませんでした。
引っ越しは自分でしろ!
父が倒れた時点で、要介護になることは明らかでした。
そのため急遽、バリアフリーの家に引っ越すことが決まりました。
元々住んでいた家はそのまま残し、もう一つ家を借りることに。
ここまではよくある話なのですが…
まさかの展開が待っていました。
なんと、引っ越し代をケチった両親から「引っ越しは自分でやれ!」と告げられたのです。
業者には頼めない、自力での引っ越し
大きな家具は自分では到底運べません。
トラックを借りることもできず、私は「自分でできることだけをする」しかありませんでした。
唯一、ベッドだけはケアマネージャーさんの尽力で、業者の方に搬入してもらえました。
真夏の暑さの中、業者さんは手際よく、あっという間に仕事を終えて次の現場へ向かっていきました。
それがプロの仕事なのだと痛感しました。
我が家では「お茶を出しておもてなしをする」のが普通だったため、業者に頼むことがこんなに楽なのかと改めて感じました。
少しずつ荷物を運ぶ日々
さて、ここからが本当の問題です。
とにかく両親の着替えや日常生活に必要な物だけは、何としても新しい家へ運ばなくてはなりません。
私は運転が苦手で、軽自動車しか動かせません。
一度に運べる量も限られており、何度も往復するしかありませんでした。
それでも、なんとか両親の生活必需品と着替えは揃えることができました。
私のことなどお構いなし
そんな中、父は当然のような顔で退院して帰ってきました。
毎日のようにクレームや不満をぶつけられ、私は自分の着替えすら満足に準備できないまま、疲弊していきます。
寒さに震える私
父が倒れたのは真夏でした。
退院してきたのも、まだ暑さの残る時期。
しかし、数週間後には急に冷え込み始めました。
両親の冬支度は私が行いましたが、自分の防寒対策まで手が回らず…
私は自分の着替えすら揃わないまま、寒さに震えながら数週間を過ごすことになったのです。