
「奥から取れ!」スーパーでのひと悶着。
今日もまた、私は店内で静かにうつむくのでした。
母との買い物は試練
母との買い物は、私にとって苦難のひとつです。
とにかくケチな母は、倹約のためなら人目もはばかりません。
一番困るのは、スーパーで陳列されている商品を「奥から取れ!」と言い出すことです。
手前から取る?奥から取る?
スーパーなどでは、食品の消費期限が早いものを手前に、遅いものを奥に並べるのが通例です。
最近では「すぐに使うなら手前から取ってください」という呼びかけも一般的になり、SDGsやエコの観点からも推奨されています。
ですが、母はそういった事情をまるで気にせず、消費期限の長いものを求めて奥から取ろうとします。
私が「今日使うものだから、手前から取ろう」とすると、母は即座に怒り出します。
母:「何してるんや!奥から取らんか!」
私:「今日使うものだから、手前から取ろうよ」
母:「手前のはすぐに消費期限が来るんや、奥から取れ!」
こうして、母はブチギレてしまいます。
周囲の目も気にならない母
少しでも損をしたくないという母の思いは、正直、勝手にすればいいとも思います。
けれど、そのやり取りはお店の人や周囲のお客さん、時にはご近所の方の目にも留まっています。
母が声を荒げるので、私はもう何も言わないことにしました。
すると母は、自ら商品の前に身を乗り出し、前かがみになって奥のほうから商品を取り出します。
母:「よう見とけ。こうやるんや!」
まるで「バカな娘に見せてやる」という勢いです。
触れても気にしない大胆さ
母が商品棚に前のめりになると、今度は手前の商品が体に当たることになります。
ですが、母はそんなことまるでお構いなしです。不意に商品に触れたり、当たったりすることも、まったく気に留めません。
黙るしかない私
これ以上何かを言えば、母の怒号が店内に響くことになるため、私は黙るしかありません。
周囲から注がれる冷たい視線も、母には一切刺さらないようです。