
ちひろ
バリアフリー住宅に潜む落とし穴
バリアフリーの家に引っ越してから、手間のかかることの一つが床掃除です。
慣れた人なら何のことはないのかもしれませんが、今まで畳かカーペットの部屋で掃除機をかけていた私にとって、床掃除は意外な重労働でした。
モップやフローリングワイパーなどを使い慣れていないこともあり、戸惑うことが多かったのです。
もちろん、両親はそんな私の戸惑いを許してはくれませんでした。
掃除に対する両親の難癖
私がうまく使いこなせていないのを承知の上で、難癖のオンパレードです。
「ほら、拭き残しがある」「髪の毛が落ちている」「ゴミが残っている」――
まあ、次から次へと、嫁いびりをする姑でもここまで言わないだろうということを、ネチネチと言い続けます。
反論は即、怒鳴り声
私がうっかり言い返そうものなら、その何倍にもなって両親二人が怒鳴り散らし、キレまくるので、我慢するしかありません。
椅子を動かしたら怒られた
フローリングの掃除をしているとき、ダイニングテーブルの椅子をまとめて避け、テーブルの下を掃除しようとしたところ、ここでも母の嫌味が炸裂しました。
母:「なんや、椅子なんかどけて、楽しようという算段やな! 怠けることばっかり思いつくんやな!」
私:「少しでも、きれいにしようと…」
母:「なんやて! 親に逆らうんか!」
結局、元通りにしてやり直し
こうなったら、もう仕方ありません。
いつものことですが、椅子を元に戻しました。
床掃除は終わっていませんから、戻した椅子を一脚ずつ動かして、テーブルの下を掃除するわけです。
私に二度手間をさせたことで、母は満足したようで、いつものようにニコニコと笑っています。
そして私は、静かに決めた
私も何も言わずに、床掃除を続けました。
実はこの一件以降、両親がいる間に床掃除をするのをやめました。
かなりの重労働なのに、意味がないからです。
意外な“効果”も
ですが、それが功を奏したようで、この件で文句を言われることは少なくなりました。